世界樹の迷宮探検記 RSSフィード

2007-02-11

[][]既視感 既視感 - 世界樹の迷宮探検記 を含むブックマーク

何が起きたのかを悟った瞬間、ビシャスはスノードリフトの一撃で倒れていた。大勢が悪くなったからといって逃げる事を許すような相手でもない。残るメンバーは必死に戦うが、一人ずつ、スノードリフトの牙により倒され、彼等は全滅した。

ふとビシャスが気が付くと、金鹿亭のカウンターに座って、うとうとしてしまっていたようだった。

「あら、気が付いた?」

「え、あ」

「今夜は迷宮に行くんでしょ?宿に戻ったほうがいいわよ」

「あ、ああ」

「なに?まだ寝ぼけてる?ふふふっ」

「あ、いや、ありがとう。また戻ったら寄るぜ」

「ええ、ちゃんと戻ってきて頂戴ね」

「ああ、勿論。んじゃまたな」

「はい、またお願いね」

(なんだったんだ、ありゃ)

執政院に寄り、スノードリフトについての記述を調べる。高い攻撃性を持ち、牙を使った攻撃と恐怖をもたらす咆哮が主な攻撃法のようだった。それだけ調べると、宿に戻って休み直す事にした。

「・・おかえりなさい」

「ゼルア、休んでなかったのか」

「・・私はあまり長い眠りを取らない」

「そうなのか」

「・・ええ・・・・あなたが見たのはねじれた時間」

「あ?」

「・・夢を見たでしょう」

「ああ、そんなもん、分かるもんなのか」

「・・あれは、夢というよりは、あったかも知れない過去

過去未来じゃなくてか?」

「・・ええ、もうそのねじれは通り過ぎている。私達がそこに進む事はないわ」

「へえ、よくわかんねえが、まあそいつは良かったな」

「・・あの時、戦いを挑んでいたら、そこに辿り着いたかも知れない」

「あー、昨日のアレか。あの時ヤツに挑んでいたら、そうなってた、ってことなのか」

「・・今日の私達は昨日の私達よりは強い。もう同じ結末にはならないと思う」

「なるほどな、それにしてもゼルア詳しいな」

「・・あれも、この土地にある呪いの一つのようなもの」

「ああ、呪いに関する事だから詳しいってことか」

「・・呪いか言祝ぎか、私には分からないわ。私を拾ってくれた人も同じモノを見たことがあると言っていた。見ることが出来る人間はあまり居ないはず」

「育ての親か、冒険者に育てられたんだな」

「・・ええ、あの人に冒険者というものを教えてもらったわ。呪い師としての修行をする時に離れてしまったけれど」

「そうか。まあ、冒険者ってのはワケアリが多いからな」

「・・そうね。ビシャス。貴方も少しは休んでおいた方がいいわよ」

「ん、そうだな。多少は休んでおかねえと、あいつらに何言われるか。ゼルアも少しは休めよ、今日スノードリフトを倒して2階層を目指すぞ」

「・・ええ、わかったわ」

「そんじゃ、おやすみ」

「・・おやすみなさい」

(死を退け、死を見せ続ける・・これは呪いなのか言祝ぎなのか。・・・あの人は今もこの幻影を見続けているのだろうか)

ゲスト



トラックバック - http://sekaiju.g.hatena.ne.jp/fotn/20070211